Webライティングで最重要なのは「ベネフィット」の提示

テクニック(右腕)

今回はWebライティングにおける「ベネフィット」についてのお話です。

Webのコラムなどを執筆する際、多くのライターが意識するのは「メリット」です。「この文章を読んでどのようなメリットがあるのか」という点を明示しなければ、読者は目を留めてくれません。

そういう意味で、明確なメリットを打ち出すことはとても重要になります。しかし、より良い文章を書くためには、さらに踏み込んで読者に「ベネフィット」を提示することが重要です。

メリットよりもベネフィット

ベネフィットは直訳すると、「利益」「恩恵」などの意味になります。日本ではマーケティング用語として使われることが多く、「顧客が商品・サービスを通じて得る利益や利便性」を指す言葉として使用されます。「利点」を意味するメリットと似ていますが、実際にはかなり違いがあるのです。

例・健康食品

  • メリット:健康な体を維持できる。病気のリスクを抑える。
  • ベネフィット:いつまでも元気に仕事ができる。スリムな体型で魅力を高める。

メリットは、商品やサービスが与えてくれる直接的な効果を指します。ベネフィットはそうしたメリットによって、「どのような生活の変化があるのか」を提示するものです。

ライティングにおいて、ベネフィットが大切になるのは、「より具体的・体感的に利益を想像させることができる」からだと言えます。特におすすめするものが抽象的なものであるほど、具体的なベネフィットを提示しないと、記事を読んでもらえない可能性があるため注意が必要です。

TVコマーシャルが参考になる

「ベネフィットを訴える」という点で、広告ほど参考になるものはありません。保険のCMでは、単純に商品説明をするだけではなく、「保険に加入したことで入院や治療で困らなかった」という点や強調されます。

あるいは洗濯用洗剤の宣伝では、汚れがキレイに落ちるというメリットだけではなく、そのことで家族が笑顔になることを印象付けるような作りになっています。要するに、メリットというのはあくまで手段でしかなく、大事なのはそれがベネフィット=幸せにつながることをアピールする点にあります。

これは文章でも同じです。読者に対して、直感的に理解できる形で満足感や幸福感を想像させるようにしなければなりません。

ベネフィットはそのままテーマになる

「この文章を読むことで得られるベネフィット」を考えることは、文章のテーマを考えることとほぼ同じです。金融関係の記事を書く際に、「投資の知識を身につけて資産を増やそう」というテーマを設定するとします。

これは「投資について学べば、資産を増やせる可能性がある」というメリットに訴えるものです。そのため、テーマとしては少し浅い状態です。そこでベネフィットについて考えましょう。

投資を通じて資産を増やしたい人にとって、何がベネフィットになりうるでしょうか。たとえば、「資産を増やせれば老後も安心できる」「子育ての資金を準備できる」などが考えられます。そこでテーマにベネフィットを加えてみるのです。

「投資の知識を身につけて老後資金を増やそう」「投資の知識を手に入れて子育てにゆとりを作ろう」といったテーマにすると、記事の方向性がさらにハッキリとします。

さらに、ベネフィットを考える利点はもう1つあります。それは「ターゲット」を想定するという点です。とある商品が持つメリットについて、どのようなベネフィットがあるかは人によって異なります。

ダイエット商品で得られるメリットは「痩せること」ですが、それによって得られるベネフィットは性別や年齢などで違ってくるからです。男性であれば、「引き締まったボディで会社でも評価される」といったベネフィットが考えられます。

若者にとっては「恋愛で有利になる」ダイエットも、年配者にとっては「健康な体を保つ」ことがメインになる可能性があります。このようにベネフィットを考えることで、自然とターゲットの想定が行われるわけです。

読者に刺さるベネフィットを考えよう

ライターがベネフィットを意識するべきなのは、メリットだけではほかの人と差がつきにくいからです。ハッキリ言ってしまうと、商品やサービスの利点までなら、誰でも思いつきます。

そのため、メリットをいくら訴えても、読者から「そんなことはわかっている」と思われてしまいます。だからこそ、ベネフィットを訴えることで、「なるほど」と思ってもらうことが重要です。

言い換えるなら、ベネフィットを提示するというのは、読者の代わりに「幸せを発見する」ことでもあります。読者に対して新しい幸せの形を提案することができれば、読む人の心を惹きつける文章を書くことができるでしょう。それは、ライターとしての腕前を向上させることにつながるのです。

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