どこに置けばいい? 読点の利用法

テクニック(右腕)

この記事では、ライティングに関わるテクニックについて解説していきます。

今回は、「読点」に関するお話です。

ライティングにおいて、読点の使い方というのは意外と難しいところです。どの程度の頻度で利用するべきなのか、どこに利用するべきなのかなど、ルールが曖昧というのも原因でしょう。

結論から言えば、読点の使い方に決まりはありません。読点の役割として、「文の調子を整える」「文の内容を明確にする」といったものがあります。

文の調子を整えるというのは、読みやすさを考えるということです。読点のない文というのは、おおよそ20字程度が限界です。それ以上に長い文に読点がないと、文が一気に読みにくくなります。

例文A

今日の晩御飯はとんかつとサラダでデザートにはアイスクリームもありました。

例文B

今日の晩御飯はとんかつとサラダで、デザートにはアイスクリームもありました。

例文C

今日の晩御飯は、とんかつとサラダで、デザートには、アイスクリームもありました。

すべての例文は、句読点を除いて35文字です。例文Aでは読点は使われていません。そのため、文の印象自体が不明瞭になります。例文Cは、読点が3つ含まれています。読点が多すぎるせいで、内容自体がぶつ切りになってしまい、意味を理解するのに時間がかかります。

例文Bでは、「晩御飯」と「デザート」の話題で文が分かれるように読点を1つだけ利用しています。こうすることで、文の調子がしっかりと整い、読みやすい分になります。

読点には、「文の内容を明確にする」という役割があります。これは、読点がないと内容が曖昧になる文があるからです。

例文D

1・上司は出張していませんでした。

2・上司は、出張していませんでした。

3・上司は出張して、いませんでした。

例文D-1のように、読点がないと、D-2とD-3のどちらの意味にも読めてしまいます。読点を利用することで、「上司は出張を取りやめた」と「上司は出張をしているために不在である」のどちらの意味かを明確にできます。

こうした意味を取り違えてしまう可能性がある文というのは、意外と多いものです。読点の使い方を意識することで、読み手に誤解させるような文を書かないようになるでしょう。

読点の使い方に明確なルールはないと言いましたが、ライティングにおいてはいくつか心がけるとよいポイントがあります。

まず、一文につき読点は2つまでしか使わないというものです。これは、以前にお話しした「一文は50字程度が好ましい」という内容にも関わる部分です。一文が50字程度だとすると、読点が2つなら、15~20字で区切られることになります。これ以上に読点を使用した場合、例文Cのように詰まった印象を読者に与えるのです。読点が3つ以上必要になる文は、文そのものが長すぎるため、分割することを考えましょう。

次に、助詞「を」の直後には読点を使わないというものです。助詞「を」は、名詞のあとにつく格助詞専用の助詞のため、読点を使わなくても誤解される恐れが少ないためです。もちろん、「を」のあとに読点がないことで読みにくくなる文もあります。

しかし、その場合はそもそもの文の書き方に問題があると考えるべきなので、表現方法や構成を改めましょう。 読点の使い方を理解することで、文をスッキリと見せられるようになります。文章全体の印象も大きく変わりますから、意識しながら書くようにしてみましょう。

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