今回は「論理的な文章」についてのお話です。
コラムなどを書く場合には、文章を「論理的」に書くことが求められます。しかし、論理的という言葉はなかなか難しいものです。
そもそも「どういう文章が論理的なのか」という定義がハッキリしていません。誤解を恐れず言ってしまうなら、「読者が論理的だと思えば論理的だ」となります。
そのため、読者が「論理的だ」と感じる文章の書き方を意識する必要があるのです。
きちんと「論題」が述べられている
論理的な文章でもっとも重要なのは、「論題」となる部分です。これはいわゆる「テーマ」であり、「何を伝えたいのか」「何を理解してもらいたいのか」という点です。
論題がハッキリしていない文章は、読者から論理的だとは思ってもらえません。「何が言いたいのかわからない」と批判される話の多くは、論題が曖昧だったり存在しなかったりするものです。
論理的な文章を書くためには、テーマを冒頭に入れなければなりません。なぜなら、論理的な文章というのは、「テーマについて説明する」という目的があるからです。
テーマが何かわからない状態で、いくらそのテーマに関する文章を読ませても、意味が理解してもらえないでしょう。だからこそ、最初にテーマを明示しておくことが欠かせないのです。
具体的な「理由」を示す
どれだけ論題がハッキリしていても、それだけで読者が納得するわけではありません。たとえば、「人間は空を飛ぶことができる」というテーマだけを見て、それを「論理的だ」と感じる人はいないはずです。むしろ「そんなわけがない」と否定されて終わりです。
しかし、「なぜなら人間は飛行機を作ったからだ」と付け加えればどうでしょうか。先ほどよりは論理的に見えてくるはずです。
もちろん「飛んでいるのは飛行機だ」「人間自体は飛んだりできない」という反論もあるでしょう。ただ反論が出るのは、「テーマ自体は理解されている」という証でもあります。少なくとも、「どうしてそのように主張するのか」は読者にも理解できます。
つまり論理的な文章とは、「主題」に対して「理由」を示すことで成り立っているのです。そして理由がハッキリしているほど、論理性は高まります。
例文
- 若者はあまり選挙に関心がない。わたしの知人でも、若い人ほど投票に行かない割合が多いからだ。
- 若者はあまり選挙に関心がない。駅前で100人の男女にアンケートを取った結果、若い人ほど投票に行かないことがわかったからだ。
- 若者はあまり選挙に関心がない。ここ10年、20代の投票率が他の年代と比較して低いというデータがあるからだ。
例文1~3は、いずれも「若者はあまり選挙に関心がない」というテーマの文章です。しかし、それぞれの文章から受ける印象は大きくことなります。
例文1では、テーマに対する根拠が書き手の経験則です。理由になってはいるものの、読者を納得させるには不十分でしょう。
例文2は100人へのアンケートを行っており、例文1よりも論理的に見えます。しかし例文3のような公式のデータを引用した場合と比べると、やはり論理性が低いです。
テーマと根拠を揃えて書く
論理的な文章を書くために必要なのは、「明確な主題」と「信頼できる理由」です。文章によって伝えたいテーマをハッキリさせ、それを納得させるだけの根拠を示してこそ、読者から「論理的である」と判断してもらえます。
ただしどれだけ主題や理由を揃えても、論理的かどうかの最終的な判断は読者に委ねられているという点も忘れてはいけません。だからこそ、単に主題と理由を盛り込むだけではなく、「読みやすさ」にも注意を払う必要があるのです。
論理的な文章を書く目的は、「読者に納得してもらう」という点にあるからです。論理的な文章は、決して難しい文章ではありませんから、そこは間違えないようにしましょう。
Webライター・方山敏彦の右腕。左腕も勿論ありますw
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