今回の記事でわかるポイント
- 本当に文章だけで生活ができるのだろうか?
- 独立には相当なパワーと少しの非常識が必要
- 「見切り千両」という言葉がある
こんにちは、Webライターのカタヤマです。今回は、私がライターとして独立をした頃の話をしたいと思います。今、会社勤めで複業としてWebライティングに取り組んでいる方のなかには、将来的に独立しようと考えている方もいるでしょう。
どんな選択が最適なのかは、置かれている立ち位置やライフスタイルによってさまざまであるため一概には言えません。ただ、これまで独立してきた人間がたどってきた軌跡は、何らかの参考になる部分もあるかと思います。私の話が少しでも、みなさんのお役に立てれば幸いです。
本当に文章だけで生活ができるのだろうか?
フリーライターとして独立するにあたって、私のなかで一番大きな心の迷いは「文章だけで生活ができるのか」といった点でした。そもそも、当時の私にとって文章だけで食べていくというのは、売れている小説家や脚本家のような才能に満ちた人たちの特殊な行為だと考えていたからです。
私がWebを通じて、文章の仕事を取り始めたのはたしか2006年あたりだったかと思います。そのときは、今のようにクラウドソーシングのサービスも充実しておらず、SOHO(ソーホー)という言葉が流行っていたと記憶しています。
もはや13年も前の話なので、いったいどのサイト経由で仕事をとったのか忘れてしまいましたが、最初の案件が「占いコンテンツの原稿執筆」であったことは今でもよく覚えています。
「占い原稿って、何??」という疑問もあったものの、当時の私は22才ということもあり、あまり深くは考えませんでした。とにかく、何でもいいから原稿の仕事がしたいということで突き進んでいたと思います。
原稿単価は今考えれば、とても低かったのですが(笑)それでも初めて「原稿料」という名目で振り込まれたときは嬉しかったですね。そのときの嬉しさがもとになって今でも継続できている面があります。
最初は「女性向けの占い原稿なんて書けるのか?」といった心配はあったのですが、実際に書いてみると意外と自分に向いていることが判明しました。自分では男性向けの文章が向いていると思っていたのですが、わりとどこで自分の力が必要とされるのかは分からないものですね。
次々と依頼をこなしていくなかで、多い日には5万字、月では100万字近くの文字数を書いたこともあります。占い原稿だけでそれほどの文章量になってくると、さすがに会社勤めとの二足のわらじは大変になり、独立の準備を整えるようになりました。
たしか、やり始めてから4年目の26か27才のときだったと思います。本業を超える収入をライター業として1年程度得られるようになってから、会社を退職しました。個人事業主として新たな一歩をスタートしたのです。
独立には相当なパワーと少しの非常識が必要
会社を辞めるときは、円満退職がおすすめです。職場によっては円満に退職するのが難しいといったこともあるでしょうが、昨今流行っている退職代行サービスは使わないほうがいいと私は思います。
やはり、社会人として新たな一歩を踏み出すタイミングなのですから、自分でしっかりとケジメをつけることが重要だと感じます。フリーランスとしての独立予定日を立てたのならば、それにあわせて退職準備を進めていきましょう。
上司や同僚、お世話になった取引先などにきちんとお礼と挨拶をすることが大切です。1人1人に丁寧に説明するのは時間がかかるものですが、やはり面倒くさがってはいけないなと思います。
今であれば、業務のクラウド化が結構進んでいるので、引き継ぎなどは昔よりも簡略的でしょう。その分、お世話になった人たちとのコミュニケーションを大事にしてみてください。
ただ、独立時には普段の仕事と並行して、いろいろと準備しなければならないことも多いものです。銀行口座を開設したり、経理まわりを整えたりと事務的なこともたくさんあります。
しかし、個人事業主として独立するならどれも必要な知識でもあるので、地道に準備を整えていきましょう。それなりに準備に時間がかかるからこそ、じっくりと考える時間もできるものです。
本当にライターとしての職種に情熱が傾けられるのかを測る意味でも、大事な時期です。独立は仕事を変えるというよりも、仕事に対する向き合い方をそもそも変えるものなので、転職以上の労力がいります。
会社員と個人事業主では、仕事の進め方がまるで違うからです。複業としてWebライティングを行っている間に、自分の適性をよく見極めておくことが大切になるでしょう。
あと、どれだけ考えたとしても、世間は会社勤めの人が多いのは事実です。たしかに最近ではフリーランスという働き方を選ぶ人も増えてはいますが、世の中の大半は会社員です。 いわば、世間的な常識とは逆の道を行くので、少しくらいの非常識さはないと独立の踏ん切りはつかないかなと思います。
「見切り千両」という言葉がある
私の場合はフリーランスとして独立して1年後には、法人を設立しました。最初から会社を興そうと考えていたわけではなく、業務を進めていくなかでの成り行きと勢いといった流れです。
打合せをするにしても、契約を取りまとめるにしても、法人であるほうが信頼されやすいといったところだったと思います。最初のうちはちょっと人を抱え過ぎて、余計な苦労もしてしまったのですが笑
どれだけ事前に準備をしてみたとしても、実際に独立してみなければ分からないことも多いものです。いくら他人から聞いて学ぼうとしても、やはり身銭を切って学んだ経験こそ、本物の学びだなと感じます。
ですので、独立をして「自分にはやっぱり向いていない」と思ったら、さっさと会社勤めに戻るのもいいかと思います。30才前半までであれば、会社員にはどうにか戻れますし。まぁ、私の場合はもう35才なので、このまま独立系で突き進む覚悟は決めています。
「見切り千両」という言葉があります。これは、投資格言として使われることが多い言葉ですが、要は「ダメなら早々に損切りしなさい」ということです。
人生において失敗は大した影響を持ちませんが、ズルズルと引きずってしまってはもはや取り返しのつかないレベルまで大きな影響が出てしまうでしょう。
ですので、フリーランスという生き方が向いていないと感じたら、早々に見切りをつけてしまうのも良いと思います。フリーランスはあくまで働き方の1つであって、それほどこだわりを持つものではありません。
意地になって、無理をして続けても何も良いことはないものです。もちろん、踏み止まって頑張る時期というものはありますが、収入につながっていなければ、続けようにも続けられないはずです。
スタートしたからといって、引き返してはいけないということはありません。逃げではありません、見極めただけです。自分の感覚を信じて行動してみましょう。
ライター歴15年。経営者(オーズLLC https://othllc.com/)とYoutuberも兼ねている。
著書『ザ・ウェブライティング ウェブライターとして生き残るための実践サバイバル術 』(https://www.amazon.co.jp/dp/B07BF25T8Y/)。
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