名詞は大事! 指示語ばかりは読みにくい。

テクニック(右腕)

この記事では、ライティングに関わるテクニックについて解説していきます。

今回は、「指示語」に関するお話です。

指示語とは、「あれ」「それ」「あの」「この」などの代名詞であり、指示代名詞とも呼ばれます。指示語は大変便利な言葉であり、上手に利用することで文がスッキリとする効果があります。

1つの文章のなかに同じ名詞や代名詞、動名詞などが繰り返し登場すると、どうしてもくどいと感じてしまうものです。指示語は、ほかの名詞や動名詞の代わりに利用されるものですから、何度も同じ言葉を繰り返す状態を改善してくれます。そのため、文章全体の印象をスマートに見せてくれるのです。

ところが、指示語は使い方を間違えると、一気に文章がわかりにくくなります。もっとも失敗しやすい使用方法は、「使いすぎる」ことです。

指示語は便利な言葉であるため、油断していると乱発しすぎてしまうことが少なくありません。しかし、指示語は特性として「一体どの言葉の代わりに使われているのか」を明確にしなければなりません。指示語が大量に使われると、「どの指示語が、どの名詞を指しているのか」が曖昧になり、内容がわかりにくくなってしまいます。

例文A

原宿は、若者に人気の街です。そこに集まる人々のなかには、独特のファッションを楽しんでいる人がたくさんいます。その人たちのファッションは、日本の「かわいい文化」として注目を集めているのです。そのため、そこに旅行しようという外国人も増えています。

例文Aでは、指示語が4回使われています。一見するとあまり問題がないように感じるかもしれません。使用する頻度としては、それほど多いとも言えないでしょう。問題があるとすれば、「そこに旅行しようという~」の「そこ」です。

この前に、「そこに集まる~」によって、「そこ」が使われています。これは、「原宿」を指す指示語です。そして、「そこに旅行しようという~」の「そこ」も、原宿を指しています。つまり、「原宿」を「そこ」によって、二回連続で置き換えているわけです。この方法は、なるべく避けなければなりません。一度指示語で置き換えたものについて言及するなら、改めて通常名詞や固有名詞で書くべきです。

また、「そこに旅行しようという~」の「そこ」にはもう一つ問題点があります。「そこ」は場所を表す指示語です。例文Aには、「渋谷」のほかに、場所を表す名詞として「日本」が使われています。そのため、「そこに旅行しようという~」という文が渋谷に旅行することか、日本に旅行するのかが曖昧になっています。

「そこに集まる人々の~」の「そこ」は、それ以前の文に「渋谷」以外の場所を表す言葉がないため、「そこ=渋谷」であるとすぐにわかります。

しかし、「そこに旅行しようという~」の「そこ」は直前に「日本」があるため、そちらを指している可能性も考えられるのです。

例文Aのような指示語の使い方が1つあったからといって、それだけで「ダメな文章」というわけではありません。指示語を適切に利用すること自体は、ライティングにおいて推奨されるものです。

ただ、「この指示語はどの言葉を指しているのか」がわかりにくい利用方法が繰り返されると、文章が読みにくかったりわかりにくかったりしてしまいます。大切なのは、「書き手が理解すること」ではなく、「読み手に理解してもらうこと」です。

指示語を使う場合には、どの言葉の代わりに置かれているのかが、明確にわかる場所に限定するべきです。どちらか判別がつかないなら、通常の名詞を利用するほうがよいでしょう。指示語の上手な使い方を習得することは、ライターとしてのレベルアップにつながります。

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