難しい言葉は使わない! 誰でもわかる文章を書く。

テクニック(右腕)

今回は、「言葉の難しさ」に関するお話です。

ライティングの仕事をしていると、何らかの専門的な知識を求められる文章を書かなければならない場合があります。すると、その分野でしか使われない単語が、文章のなかに現れるようになるのです。

難しい単語を使わなければ書けない文章というのは、ライターにとって厄介です。なぜなら、「専門的な言葉で文章を使うことで、きちんと文章を書けた気になる」からです。

例文A

FX取引において、テクニカル分析は重要です。過去のチャートから、今後の相場変動を予想するテクニカル分析のなかでも、「移動平均線」を用いた分析方法は、初心者にも扱いやすいものです。短期移動平均線と長期移動平均線から、ゴールデンクロスを見つけることで、上昇トレンドへの転換点を見つけることができます。

例文Aは専門用語ばかりの文章であり、知識のない人が読んでも意味がわからないでしょう。せいぜい理解できるのは、FX取引についての解説である点くらいです。テクニカル分析に関しては「過去のチャートから相場変動を予想する」ものだと解説がありますが、「チャート」も専門用語なので、やはり前知識なしでは理解できないものです。

この文章では、少なくとも「テクニカル分析」「チャート」「移動平均線」「ゴールドクロス」「トレンド」に関する説明がなければなりません。特に、Webライティングの場合は、こうした専門用語の解説が欠けた文章は質の低いものだとみなされます。

ただし、専門用語の解説を必要としない場合もあります。まずは、その前の段階で解説が済んでいる場合です。文章は全体として1つの製品ですから、事前に解説がされているものに関しては、再度説明する必要はありません。

ほかのケースとしては、過去の連載や同一サイトの別のページで、解説がされている用語は必ずしも解説が必要とは限らないでしょう。こうした場合は、詳細な説明は不要でも、簡単に捕捉を入れるといった工夫を行うべきです。その記事が一番最初に読まれる可能性がある以上、何の説明もなく専門用語を使うのは控えるべきです。

また、想定される読者層が、専門用語についてきちんと理解している人たちである場合も解説は不要です。これは専門誌や専門のサイトなどに掲載されるといったケースです。読者層がハッキリとしている仕事は、あらかじめクライアントから指定などがあるはずですから、そちらを優先しましょう。

依頼内容によっては、どうしても専門用語を使わなければいけない場合は少なくありません。そのため、まずは専門用語についてきちんと解説することが大切です。ところが、例文Aの「テクニカル分析」と「チャート」の関係のように、「専門用語を解説しようとして専門用語を使ってしまう」こともあります。この場合も、解説のために利用した専門用語について、再度解説しなければなりません。

このように、難しい言葉を利用する場合は、それについてわかりやすく解説することが重要です。そうすることで、最終的には文章全体を簡単な言葉で説明したことになります。「この文章を中学生が読んでもきちんと理解できる」くらいに噛み砕くことが、ライターに求められる技量です。

これは専門用語だけの話ではありません。ライティングにおいて、「四字熟語」「慣用句」「ことわざ」などの使用は極力避けるべきです。

「徹頭徹尾」ではなく「最初から最後まで」で十分です。

「手も足も出ない」ではなく「対応できない」で大丈夫です。

「弘法も筆の誤り」ではなく「ベテランでもミスはあります」で問題ありません。 文章を仕事にしようとする人のなかには、「自分の博識さを披露したい」という欲求に駆られる人もいるようです。しかし、あくまでライティングは「仕事」ですから、何よりも「読みやすさ」を重視して文章を書くようにしましょう。

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